委託給食会社での管理栄養士の働き方

委託給食会社とは、病院や学校、老健などの福祉施設などに管理栄養士、栄養士、調理師を派遣し、その施設の給食管理全般(ないし一部)を請け負う会社のことを言います。

委託給食会社で働くと、ほぼ完璧な給食管理経営スキルが身につきます。

ここでは委託給食会社で働く管理栄養士業務、待遇などを解説します。

委託給食会社における管理栄養士の仕事内容

給食管理業務

給食管理業務全般があります。すなわち献立作成、厨房業務、食数管理、発注、検品、在庫管理、衛生管理、洗浄作業などがです。管理栄養士や栄養士は、まず現場に入り一通りの仕事の流れ、動線を覚えて、その後事務仕事として、献立作成や食数管理、発注業務などを行うパターンが多いです。

管理栄養士管理栄養士

新卒は入社し、いきなり現場に投げ出されるわけですので、大変ハードに感じる人も多く、ここで挫折する人も多くいます。特に1年目が一番厳しく、ここを無事に突破できれば、少しずつ事務所で事務仕事を行いながら、給食管理のことについて学んでいくことが出来ます。

一般的には厨房で大まかな業務を覚えてから、事務室で事務作業を覚えます。事務室では、献立作成やチェック、食数・食札管理、発注、棚卸し、施設との管理栄養士との打ち合わせなどがあります。

丸3年も勤め上げれば、大まかな仕事の内容が把握出来、ここで転職を考える人もいます。しかし、丸3年勤めあげれば、仕事の内容を把握したことにより、段々と肉体的にも精神的にも楽になってきます。また生活リズムも掴めて、そのまま委託給食会社で働き続ける人もいます。

現場の人でも優秀な人は、将来的に管理職になる可能性もあります。

本部で働く場合

マネージャーなどの管理職となった場合は、受託先を回り、必要があれば受託先の会議にも顔を出し、現場責任者や施設責任者と連絡を取り合ったりします。
また部下の指導や研修、面接などの段取りをします。また施設側とのトラブルが起きた場合は、問題解決に従事します。

給料・賞与(ボーナス)

どこの会社に就職するか変わりますが、相場は月給15~35万円程度です。

委託給食会社は、新卒での給与水準も、年次昇給も低いです。しかし、結果を出せば交渉次第で給与を大きく上げてもらうチャンスもあるのです

また役職に就けばどんどん給料が上がっていくことも特徴です。

一例として、中核病院以上で、現場責任者であれば、月給30万程度は基本給として貰えます。さらに上の立場になれば、待遇はどんどん良くなります。

賞与は2~4カ月/年程度です。

休日

基本的に病院や他の福祉施設などでは、365日年間を通じて食事を提供する必要性があるため、勤務形態はほぼシフト制です。早番や遅番などもあるため、比較的ハードです。また人手不足のある施設ですと急に現場に呼び出されることも。。新卒は何人かに一人の割合で「とんで」しまうこともあります。

週休2日制が基本です。
年間有給は20日程度。

委託給食会社で働くメリットとデメリット

メリット

散々前述してきましたが、現場で働くことによる、管理栄養士や栄養士としての基礎をつけることが出来ます。

近年では、新卒のまま、給食委託会社の入っている病院へ就職するパターンも多く、そういうルートではすぐに栄養指導や臨床業務をやることにより、現場での経験を身につけることが出来ません。
これは、栄養のプロとして、致命的な欠点であり、将来のキャリアを考えていく上で、障壁となることもあります。

その点、委託給食会社で勤務すれば、そのような心配はなく、みっちりとした基礎を身につけることが出来るわけです。

大手の委託給食会社は、全国に受託先が点在するため、例え住む場所を変えたいと思っても国内であれば割とすぐに働き口を見つけることが可能です。
また施設の移動があるため、どうしてもウマが合わない人と同じ現場に入ったとしても、希望により他施設に移れることがあります。

デメリット

施設側の管理栄養士と比較すると新卒から数年は給料が安く、休日が少ないことがあります。また総残業数は現場ごとに決められているため、サービス残業が多くなりがちです。
基本的に現場作業ですので、ハードワークです。

就業時間帯は?

5:00~20:00
シフト制ですので、早番の場合は、4時半くらいから出勤して厨房に入り、朝食の準備をします。また遅番は遅くに出勤し、夕食の管理、次の日の準備を行います。

まとめ

委託給食会社に就職すると、基本的には給食管理が主な業務となるため、管理栄養士と栄養士では業務に差が出ず、ほぼ同じ業務を行います。委託会社で働くメリットは、現場経験を積めることにより、徹底した給食管理スキルが身につくことにより、将来違うところに転職したいと考えていたとしても、どこに行っても潰しの効くスキルが身につくことです。

病院に行き、臨床的な業務に従事するにも、厨房現場で培ったスキルは必ず役に立ちます。栄養士関連の仕事である限り、どの他の仕事に転職しようが、委託給食会社で培った経験とスキルは必ず役に立つのです。

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