インスリンは糖を細胞へ送り込む唯一のホルモン

インスリン分泌のメカニズム

食事を摂取し、血糖値が上昇すると膵臓のβ細胞では解糖系が亢進し、細胞内ATP濃度が上昇します。
細胞内ATP濃度が上昇するに伴い、ATP感受性カリウムチャネルは閉じられ脱分極が起こります。ここで電位依存性カルシウムチャネルが開き細胞内へカルシウムが流入してきます。これを合図としてインスリン分泌が励起されます。

インスリンのシグナル伝達機構

血中に分泌されたインスリンは、細胞のインスリン受容体に結合します。

インスリンが受容体に結合すると、IRS-1(inslin receptor substrate)を介してPI3キナーゼを活性化します。活性化されたPI3キナーゼはセカンドメッセンジャーであるPIP3を作り、結果Akt(セリン/スレオニンキナーゼ)を活性化します。Aktはグルコース輸送体(GLUT4)を細胞質の小胞から細胞膜へと移行させます。これによりグルコースが細胞内へ取り込まれることになります。
(※Atkは肝臓でグリコーゲン合成を促進させたり、転写因子FOXOリン酸化し核への移行を防ぐほか、アポトーシス抑制作用においても中心的役割を果たします)

インスリンと高血糖

ところが、肥満などの様々な要因により、これらの仕組みのどれかに障害が起こると細胞内へ十分に糖を送り込むことができなくなります。細胞内へ糖を送り込むことができないので糖は血管に滞ることになります。これに加えて肝臓のグルコース放出、タンパク質からグルコースの生成(糖新生)、も促進されるのでますます糖が血液中に放出され、高血糖の負のスパライルに陥ることになります。
高血糖ですが、細胞内では栄養不足なので脂肪分解系が亢進しグリセリドとFFAが過剰となります。β酸化により過剰産生されたアセチルcoAは、肝ではケトン体に変えられ、ケトン体の蓄積が進むにつれて代謝性アシドーシスが見られるようになります。
アシドーシスが進むとナトリウムイオン、カリウムイオンの損失も加わるアシドーシスをさらに増悪させます。