細胞内小器官

細胞は、細胞膜、細胞質、核から成り立っています。

細胞膜:細胞内と外を隔てる仕切りであるとともに、外部と物質のやり取りをする働きがあります。

細胞質:有形の細胞内小器官と無形の細胞質ゾルから成り立っています。

核:遺伝情報を収納しています

 

今回は細胞内小器官について話していきます。

ミトコンドリア

ミトコンドリアとは、細胞の中にあり、ATP(エネルギーの共通通貨)を合成して生体エネルギーの産生の中核を担います。※核とは異なる独自のDNAをもつ。(母親由来であるため、DNA鑑定などにも使われているそうです)

構造としては内膜と外膜の2つの膜で囲まれています。内膜には外部に向かってクリステというヒダがあります。その内側のマトリックスにはクエン酸回路、脂肪酸のβ酸化(ATPを作るの回路)の場所であります。内膜には電子伝達系とATP合成酵素があり、両者の連結によってADPからATPが生じているので す。

簡単に言うと、栄養分を取り入れてそれを身体全体で使える通貨ATPを作る場所という事です。

ミトコンドリア

1.内膜 2.外膜 3.クリステ(平板状) 4.マトリックス

近年、ガンの発生にはミトコンドリアが関与しているという説もあります。

リボソーム

細胞室内に遊離、小胞体に付着して存在しています。rRNAとタンパク質がくっついて出来た複合体です。
mRNAの情報に従って毎秒3~5のアミノ酸を連結させてタンパク質を作っています。

小胞体

小胞体は細胞の中を網目状に広がって分布しています。また細胞の種類によって、管状、扁平ヒダ上などさまざまな形があります。

膜の細胞質側にリボソームがついている粗面小胞体と、リボソームがついていない滑面小胞体があります。

粗面小胞体:分泌タンパク質や細胞膜タンパク質が合成される
滑面小胞体:リン脂質やコレステロールなどが合成される。

小胞体

ゴルジ装置

密に折り重なる扁平な袋状の膜構造と、近くにあるゴルジ小胞という小胞からなっています。
タンパク質はここで修飾されて分泌されます

細胞骨格

文字通り細胞を内部から支え、細胞の形を維持する役割を持っています。
また、細胞運動にも関わっています。

細胞骨格を構成する主な要素は、微小管、中間系フィラメント、アクチンフィラメントというタンパク質の繊維状構造です。
※紡錘糸は微小管からなる細胞骨格の一つであります。

細胞骨格どうしは、橋渡しをするはたらきをもつタンパク質によって結びついています。
微小管に沿って物質を移動させたり細胞運動を実行するものととして、モータータンパク質があります。
これには、キネシン、ダイニンが知られています。

モータータンパク質って?

ATPを使って細胞運動を発生させるタンパク質の事をいいます。
その機構には細胞骨格と呼ばれる2種のタンパク質繊維、アクチン、微小管とその上を滑走するタンパク質群が関わっています。今のところモータータンパク質として、アクチン、キネシン、ダイニンと3つが知られています。

細胞内にはこれら3つのタンパク質に似たタンパク質があり、それぞれ固有の働きを担っています。それらの機構や調整のしくみなどは、生物分子学の大きな課題となっています。

その他

リソソーム:加水分解酵素を含み細胞内外の不要な物質などを加水分解する。

ペルオキシソーム:過酸化水素を合成する酵素をもち、解毒、異物処理などを行う。