老人ホームでの管理栄養士の働き方

年々高齢化が進み、高齢者の栄養管理がとても大切であるという認識が年々高まってきており、それに伴い、老人ホームでの管理栄養士の地位も上がってきているようです。

いわゆる老人ホームといっても種類はたくさんあります

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)、介護老人保健施設、デイケアなど
本人の身体の状況や、家族の状況また経済状況などに合わせて様々な形態のものがあります。

この記事では老人ホームでの管理栄養士について仕事内容や待遇などを解説します。

老人ホームでの管理栄養士の役割

管理栄養士の役割としては、入所さんの特徴を把握し、その特徴に応じた適切な栄養管理を実施していくことにあります。高齢者の栄養管理の重要な問題点としては、十分に口からエネルギーを摂取できないことにあります。
入所者さんの特性(年齢や体格、身体状況)を考慮し、それに応じた栄養価の計算をすることはもちろんですが、嚥下機能が低下している方も多く入所してくるので、食形態(きざみ食、ミキサー食、ゼリー食、ソフト食)にも留意します。

具体的な仕事内容は?

栄養ケアマネージメント

栄養ケアマネージメントとは、多職種で連携し入所者の栄養管理計画を作成し、把握する手法のことを言います。
入所者ごと、身長・体重、栄養状態、摂食・嚥下能力の評価を実施し、その方に見合った食事を提供する目的で行われます。

給食管理業務

厨房の作業から配膳、喫食、下膳に至るまで統括的に管理をします。
具体的には、衛生管理、献立作成、配膳・盛りつけチェックなどです。
現場に入ることもありますが、基本的には統括・管理が主であり、今後はこの流れは強くなっていくことだと考えられます。
老人ホームなどでは長期入所が基本となるため、行事食は非常に重要であり、都度四季に応じた食事を提供します。食べることが好き、献立を考えることが好き、という管理栄養士は、入所者からの距離が近いこともあり、やりがいの感じられる職場だと言えます。
おじいちゃんおばあちゃん、高齢者とコミュニケーションを取ることが好きな方には天職かもしれません。

就業場所は?

特別養護老人ホーム(いわゆる特養)、介護老人保健施設(いわゆる老健)、デイケアなどがあります。

給料・賞与(ボーナス)は?

月給15~25万円(資格手当含む 残業代含まず)

賞与 0.5~5カ月/年

休日はどうなの?

入所者の給食管理業務が主となるため、定刻勤務ではなく、シフト制となる傾向にあります。
老人ホームの管理栄養士は1人配置であることも多く(多くても2人程度)何かトラブルがあった場合など出勤しなくてはならないケースもあります。
また基本的には正月やクリスマスなどは勤務しなくてはいけないところが多いです。
イベント毎は頻繁に行っている施設も多く、そういったものを楽しめる方は良いかもしれません

休日
週休2日程度
夏期休暇など 0~5日
年間有給20日

老人ホームでも近年は給食業務においては委託が入っているところも増え始め、こういった場合、施設側で雇われている管理栄養は1人のこともあります。
したがって何かトラブルがあった場合に出勤しなくてはいけないというケースも出てきます。

就業時間帯は?

6:00~20:00(早番・遅番などもあり)
定刻勤務の施設もあります。施設毎違うので、確認する必要性がありますね。

残業について

施設によって違いますが、一般的には残業がある場合もありますが、近年は残業をなくす方針をする施設も増えてきています。
良くも悪くも一人職や多くても3人までの施設が多いですので、残業は自分の業務効率次第というところもあります。

転勤や異動はあるの?
同じグループ病院や施設があるケースがあり、その中での異動はあるかもしれませんが、基本的にはあまりないと思っておいて下さい。

老人ホームの就職に有利な関連資格は?

摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士(高齢者施設では最強の認定資格です)
しかし、取得状況は中々厳しく、新卒では取得ができません。(以下参照)

摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士取得する方法

管理栄養士取得してから、まず嚥下リハビリテーション学会認定士を取得します。

嚥下リハビリテーション学会認定士の取得条件としては、次の3つを全て満たす必要があります。

☑日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士の会員歴2年
☑摂食嚥下の臨床研究歴通算3年以上
☑eラーニング修了(摂食嚥下リハビリテーション学会HP)

日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士の詳細はこちら

リハビリテーション学会認定士を取得してから認定に必要な申請資格

☑ 管理栄養士を取得後5年以上の実務経験を有し、摂食嚥下障害を持つ者(児)に関わる栄養管理に通算3年以上従事していること。
☑ 日本栄養士会および嚥下リハ学会が指定する研修(以下、「摂食嚥下リハ栄養専門研修」という。)の履修を必須とする。
☑ 摂食嚥下機能に関する実績5症例および実務経験歴を提出すること。
☑ 摂食嚥下リハビリテーションおよび栄養分野の学術集会・地方会または関連する研究会等において、摂食嚥下に関する筆頭発表、もしくは筆頭論文を過去3年間のうち1篇以上有すること。

日本栄養士会HPより

老人ホームへ就職し、摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士を目指していくというのも有りです。
認定資格さえとってしまえばそこで働き続けてもよし、病院へ就職するのも容易となります。

就職活動

学校で紹介してもらいましょう。教員に聞いてもいいですが、就職支援センターみたいな窓口があればそこがベストでしょう。

まとめ

近年、栄養管理における嚥下機能の役割の重要性が高まり、もともと嚥下のスペシャリストである言語聴覚士の他、管理栄養士においても嚥下のスペシャリストが増えてきています。食事の形態や嚥下に興味がある人でしたら、まさにぴったりの職場と言えるかもしれません。

今後さらなる高齢化の進む日本においては、こういった嚥下のスペシャリストや、口腔評価もできる管理栄養士のニーズはどんどん高まっていくはずです。

摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士という認定資格もあります。こういった資格を目指していくのもいいでしょう。