自己分析

転職活動は、婚活に似ています。婚活の際には、当然のことですが、自分に一番条件の合った人を選びたいと思いますよね?

仮に貴方がイケメン俳優やイケメンスポーツ選手が好きでも、彼らが貴方のことを好きになる確率はほぼ0%に近いでしょう。

貴方に合った相手選びをすることが大切です。そこで役に立つのが自己分析です

自分はどのレベルなのか。どの程度の市場価値があるのか。それを踏まえた上で、可能な限り希望に合致させるためにはどうすればよいのか。

そうして、正しいプロセスを踏まえて出逢った相手であれば、長い付き合いをすることも可能でしょうし、結婚の確率だって高くなるでしょう。

転職活動もそれと同じです。

ここでは自己分析と具体的な方法を解説していきます。

転職活動における自己分析のメリットは以下3つ。

①条件を絞りこめる

自分のレベル、市場価値、また自分の強みや弱み、希望する業界、そこでやりたいことを認識することで、数ある転職先から自分に適した職場を絞り込むことができます。自己分析がしっかりできれば、履歴書の志望動機も悩むことはなくなります。

また自己分析を深めていくと、自分でも思いもしなかった自分の長所に気づくこともあり、新しい挑戦や新たな業界へ進むきっかけとなることもあります。

管理栄養士として活躍できる場一覧

  • 研究機関(大学、企業の研究職など)
  • 医療関連(病院やクリニック、単科病院)
  • 教育関連(学校給食センターや小中学校、幼稚園)
  • 児童福祉施設(保育園、養護施設など)
  • 福祉施設(介護老人保健施設、特別養護老人ホームなど)
  • 一般企業(委託給食会社や食品関連企業)
  • 行政関連(国、県、市町村などの行政機関、自衛隊基地など)

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②自分の軸が生まれる

今までにどのような経験をしてきたかを整理し、自分の強みや弱みを知ることで、自己PRをより具体的に、ストーリーとして表現することができるようになります

このストーリーを自分自身で構築しておくことにより、あなたはそのストーリーの主人公としてさらに今後どうしていきたいか、どうなればワクワクできるかという想像から、あなたの価値観や、優先順位が明確化されます。またこれらを徹底的に行うことで、面接時に予想だにしなかった質問をされても、ストーリーに則った一貫性のある回答をすることが可能となります。

③転職後のミスマッチを防げる

自分のことを理解せずに、なんとなく求人の待遇面だけを見て転職してしまうと「この仕事は自分に向いていなかった…」と後悔することになるかもしれません。自分の軸に沿った転職先を選ぶことでミスマッチの可能性を下げることができます。

自己分析の具体的方法

紙と鉛筆を用意し、ひたすら書き出す作業です。

自己分析は、まず3つの時代を分割して行っていきます。

    • 学生時代(小学校~養成校時代まで)
    • 社会人生活
    • 今後希望する人生

学生時代までの自己分析

具体的に以下を書き出して下さい

☑学生時代に取り組んだこと(勉学面、クラブ・サークル活動・アルバイト・長期休暇・家庭面)から、発揮した能力と、自分の価値観に影響を与えた過去の出来事

発揮した能力(人から褒められたことを中心に)

注意すべき点は、自分を卑下し、過小評価せずに、出来るだけ思いつくままに箇条書きにしてみましょう。またなぜ栄養士になったのかも合わせて書いてみましょう。

自分の価値観に影響を与えた過去の出来事

その後、自分の価値観に影響したと思われる出来事をピックアップし、「その時どう感じたか」「その出来事が今の自分にどう影響を与えているか」を書いて、自分がどういった性格なのかを分析します。その時どう考えたか、現在の自分にどのような影響を与えているかを記述してみましょう。とにかく手を動かして書くことが大切です。

✍ポイント

転職活動では、学生時代までの自己分析に加えて、社会に出てからの経験や価値観を、どのようにアピールできるかが大きなポイントになります。


学生時代までの自己分析の次は、ご自身の社会経験を振り返り、キャリアの再確認を行います

社会人生活の自己分析

今まで従事した業務に対して、「評価されたこと(成功体験)」「工夫したこと」とともに「苦手だったこと(弱点)」「仕事へのこだわり」を思い返し、記述してみましょう。そして記述した内容を、長所として極々簡単な単語一文字で表現して下さい

評価されたこと、工夫したこと

「何かの業務で褒められた」といった分かりやすく評価されたものだけではなく、例えば些細なことでも褒められたことや、小さなことでも感謝されたことや工夫したことについて、記述してみましょう

次に「なぜ評価されたのか(褒められたのか、感謝されたのか)」、「自分のどういった強みを活かして工夫できるまでに至ったのか」を考察してください。

ここで一例を出してみます

例)

評価されたこと

  • 食数管理業務担当となってから、患者全員の情報(食種やアレルギー情報)を帳票として出力し、また食札を全員分切っているが、現場の責任者から時間通りに正確であると褒められた

なぜ評価されたのか

  • 何時何分までに、食札を厨房に持っていけば良いかという締め切りを必ず守るように、業務を逆算して遂行したこと、また可及的にミスを減らせるよう、チェックをルーティーンに組み込んだことが挙げられます。

上に記載した評価されたことを、簡単な言葉で置き換えてみます。以下

分析力がある、計画性がある

※以下に簡単な言葉で置き換える例を記載します。参考にして下さい。

性格

積極性・堅実性・想像力・継続力・集中力・行動力・計画性・忍耐力・適応力・向上心・チャレンジ精神・責任感

対人関係

社交性・誠実性・リーダーシップ・協調性・親しみがもてる・プレゼンテーション力

身体能力

体力・持久力・機敏

また、「苦手だったこと」「弱点」もこの機会に向き合う時間を必ず作りましょう

苦手だったこと、弱点

例)

苦手だったこと

  • 調理業務

なぜ苦手だったか

  • 個人で作る調理とは異なり、集団給食の調理法は水分量や加熱時間の調整などに少しコツがあり、その調整が苦手だった。また食数が多いことより、力仕事も多く、大変だった。

→経験不足、体力不足、適応力の不足

対応策

  • 対応策としては、事前に調理師に相談し、作業手順の確認を実施した。力仕事に関しては、手の空いているスタッフに協力してもらうようにした。
管理栄養士管理栄養士

ここで大切なことは、苦手な仕事や、失敗した経験を書き出し、そのことに対して「なぜ失敗したのか」「自分のどういったところが弱点になったのか」を説明できるようにします。またその弱点をカバーするために、どのような策を講じたかまで書くことが重要です。

もう一例出してみましょう

例)

苦手だったこと

  • 集団栄養指導

なぜ苦手だったのか

  • 積極性の不足、適応力の不足、プレゼンテーション力の不足

対応策

  • 台本その他想定される質問集を用意した。

いかがでしょうか。できましたか?ここで一つアドバイスです。

基本的には苦手なものは、その人の性格や性質に依るものが非常に大きく、短所を克服することは結構難しいことです。したがって、自分の長所をしっかり把握した上で、自分の長所を生かせる職場に就くことが大切です。これからの時代は管理栄養士はチームの一員としての力、専門性がより一層求められます。得意なことを伸ばしましょう。

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これまでの仕事で大切にしてきたこと、こだわり

今まで仕事をする上で、大切にしてきたことを書き出してみましょう

どんな些細なことでも構いません。

大切にしてきたこととともに、それを大切にする理由を書き出してみましょう。

また給与や通勤時間、早番や遅番があるのか、施設や企業の規模や1食あたりの食数が何人くらいか、また給食経営が直営か委託のどちらかなども、必ず考慮に入れておきましょう。

例)
大切にしてきたこと

  • 安全な食事を提供すること

それを大切にする理由

  • 食事は安全が一番最初にくるため

仕事選びのこだわり

  • 小さな子どもがいるので、労働時間がしっかり決められており安心して働ける職場

これからの転職活動の軸を決める

今までの自己分析をまとめてみましょう。以下

目標

✍給食管理と栄養管理が両方同じようにできる管理栄養士になりたい

経験

✍これまでは給食管理業務を中心に行ってきた

長所

✍堅実性・計画性

弱点

✍やや経験不足・適応力・積極性・プレゼンテーション能力

仕事選びのこだわり

✍給食管理と栄養管理が両方でき、シフト制ではない定刻勤務が可能なところ

これらの自己分析を踏まえると、この人は

中核病院以下の、委託給食業者が入っている(が給食管理も可能な)病院が適切である

と言えそうです。

転職活動をしていると、内定を得るために本来の自分とはかけ離れた人物像を演じようとしてしまいがちです。

たとえそれで内定を得ることができても、就職後にミスマッチに苦しむ可能性が高いでしょう。

そういったことがないように、自己分析で自分の軸を明確にし、就職先を選ぶことが大事ですね。

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