管理栄養士採用・不採用

新卒採用の場合、採用側からみると採用したい学生像、採用したくない学生像というのは明確に存在します。この記事では、忖度や遠慮なく、採用側の本音をお伝えします

どんな新卒を採用したいか

  • 清潔感があること
  • 素直であること
  • やる気があること
  • 栄養・食事に興味があること
  • 対人(コミュニケーション)が苦でないこと
  • 協調性があること

管理栄養士業務は、献立作ることや、栄養指導、臨床で栄養管理を行うにも、基本的には他職種が関わるという意味で、チームで行います。したがって採用にはチームで力を発揮できる人が好ましいわけです。また対人業務であるがゆえ、管理栄養士も他の業種と同様に、クライアントに良い印象を与えることがとても大切で、外見(生まれ持った造形だけでなく、清潔感などの印象)をも磨くこと必要です。

清潔感があること

食事や栄養のプロですので、清潔感は当たり前のことです。髪型を整えたり、男性であれば髭をきちんと毎日剃ることが重要です。美容にある程度投資をすることが必要です(高級美容液を買うことや、エステに通うというわけでなく、毎日少しでも時間をかけて、手入れをするということです。)。肌は七難隠すといいますが、これは社会人として働く上でとても大切なことです。化粧水や美容液などでしっかり保湿をし、バランス良い食事をし、肌のコンディションを保ちましょう。

素直であること

ここでは、素直であることというのは、人から言われたことを受け取り、それを自分の成長のためのポジティブな材料にできる感性のことをいいます。斜に構えたり、ネガティブになったり、必要以上に卑屈になることは不要です。ミュージシャンや小説家ではないのですから、そういう感性は職場では百害あって一利すらありません。

やる気があること

やる気があるということは、自発的に考え、行動、学習ができるマインドの在り方をいいます。業務はやる気だけでは、務まらない部分もありますが、やる気は、その人の成長を促す燃料のようなものです。やる気のある人はほぼ間違いなく伸びていくのです。

栄養・食事に興味がある人

栄養・食事に興味がなくとも、管理栄養士にはなれます。そして、管理栄養士業務に就くことも出来ますし、必要な業務も一通りできるようになります。ただし、期待されるような成長は見込めませんし、業績を出すことはほぼ100%ないでしょう。管理栄養士は、栄養・食事のプロであり、勝負の土俵はそこです。栄養指導や、病棟栄養管理などの対人業務の場合、クライアント(患者)や他職種と、食・栄養という共通項を通じて、コミュニケーションを取る必要があります。食・栄養に興味がなければ、この分野では良質なコミュニケーションは望めません。相手はすぐに見抜きます。恋愛と同じです。

対人(コミュニケーション)が苦でないこと

話すことが、得意でなくとも、性格が明るくなくとも大丈夫です。ここで言う対人(コミュニケーション)が苦でないことというのは、相手の立場になってものを考えることができる、共感性があるかということです。共感性があれば、相手を理解しようというマインドは自ずと芽生えています。こういったマインドが芽生えることにより、中身のあるコミュニケーションが成立します。中身のあるコミュニケーションは人を動かします。人を動かすことで、業務はスムーズに進みます。

よく勘違いされがちなのですがコミュニケーション能力とは、無駄に明るく振る舞い、誰から問わずベラベラ話しかける能力ではありません。人が言わんとしていることを適切に汲み取り、自分の伝えたいことを過不足なく適切に伝えられる能力のことをいいます。

協調性があること

協調性があるということは、相手の立場や思いを慮り、状況に応じた適切な対応が取れるということです。単にイエスマンになるという意味ではありません。適切であれば、時には意見や反論を言ったりすることももちろん重要です。チームのために、職場のために、今この状況をどうすれば、よりより方法で対応できるだろうという、柔軟な考え方を持ち、凛とした姿勢が好まれます。

どんな新卒を採用したくないか

  • 清潔感がない
  • 頭でっかち
  • 共感力がない
  • やる気がない
  • わからないことを聞かない&確認しない

どんな新卒を採用したくないかということは、基本的にどんな新卒を採用したいかということの反対です。が、ここではもう少し掘り下げて、なぜ採用したくないのか、またそういう人たちを採用するとどのようなマイナスになるのか説明します

清潔感がない

清潔感がないというと、髪がボサボサ、臭い、服がよれよれ、靴が汚い、など思い浮かべますが、それ以外にも、目が死んでいるということもあります。目が死んでいる人間には清潔感がありません。雰囲気が淀むのです。

頭でっかち

特に新卒大学院卒にありがちですが、すぐに、「えびでんす」発言をするタイプです。特に業務もままならないうちから、「えびでんす」を吹聴してまわる人間はたちが悪いです。もちろんエビデンスそれ自体はとても大切なことです。しかし、業務もままならないうちでは、エビデンスの理解(論文の読み込み・解釈)が往々にして甘いことがほとんどです。その者のいう、「えびでんす」たるものは、周りにマウントをとるためや時に言い訳に使うための意であり、生産性はありません。管理栄養士として大切なことは、エビデンスを栄養管理や実務に落とし込む力であり、これには、科学的素養力の他、ちゃんと管理栄養士の実務ができることが必要です。(管理栄養士実務が嫌いであれば、研究者の道へいくことをおすすめします。)

共感力がない

共感力がないと、かなり厳しいでしょう。例えば医師や研究者であれば、それ以外の能力で乗り越えることができたりしますが、管理栄養士の場合は、職種間の調整役も多いですので、相手を慮ることができなければ、仕事はスムーズにすすみません。

やる気がない

業務中にやる気がない態度をとり、ふんぞり返っているというのはもちろんですが、ここで言いたいことは、一見そつなく、真面目っぽいけど、自発的に学習しないケースです。学習しない人間はアウトです。管理栄養士に関わらず、社会人は日々勉強です。決められた業務・ルーティーンだけをきっちりやれば良いという時代は終わり、そういった業務は今後AIに置き換えられていくでしょう。何も残ってサービス残業しろとか、プライベートを削って遊びに行く時間を削ってというわけではありません。歯を磨く、風呂に入るといった生活の流れの中で自然と新しい情報に1日5分でも触れ、その新しい情報を少しでも業務に落とし込んでいこうという、そのようなマインドの在り方が大切です。

わからないことを聞かない&確認しない

自分で調べればわかることを、一から聞きまくることはあまり好ましくありませんが、調べた上での確認であれば、もちろん可ですし、自分で調べても全くわからないことであれば、当然一から聞かなくければなりません。聞かずに自己判断で、業務をし、何か問題が起きた場合は、貴方の責任にならば良いですが、結局はその組織やチームの責任となり、他人に迷惑をかけるのです。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥です。

まとめ

管理栄養士という仕事は、労働集約型です。つまり、一人のスタープレイヤーがいるより、頭数を増やしたほうが確実に業務が回るのです。また、他職種と関わることも非常に多いので、やはりコミュニケーションが大切になってきます。

新卒に求めるのは、貴方の今の実力ではありません。今後どれだけ伸びていくか、にかかっています。

今後どれだけ伸びていくかを評価するには、どれだけ献身的にやれるか、素直か、やる気があるか、コミュニケーションが苦でないかということを評価します。

また、同時に外見や雰囲気などもしっかり評価します。

健康的な生活をし、美容にある程度投資をし、芸術に触れ、外見や雰囲気も磨いておきましょう。

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