PDF [668 KB] Figures Save Share Reprints Request Economic evaluation of individualized nutritional support in medical inpatients: Secondary analysis of the EFFORT trial

Schuetz P et al., Economic evaluation of individualized nutritional support in medical inpatients: Secondary analysis of
the EFFORT trial, Clinical Nutrition, Published:February 25, 2020 DOI:https://doi.org/10.1016/j.clnu.2020.02.023

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背景と目的

これまでのガイドラインは、低栄養が臨床上の転帰の対して影響を及ぼす可能性があるため、低栄養のリスクがある入院患者に対しては、栄養介入の重要性を示唆しています。最近の研究では、栄養サポートのポジティブな結果が報告されていますが、栄養サポートが経済的利点ももたらすかどうかについては、限られた報告しかありません。今回EFFORTの経済的評価の結果を報告します。当検討は、非盲検の多施設共同試験です。

方法

栄養リスクのある合計2028人の入院患者がランダムに割り当てられ、タンパク質とエネルギーの目標を達成するための個別の栄養サポートを受けたグループ(院内栄養サポート介入グループ; n = 1015)と、個別の栄養サポートを受けない標準的な病院食(コントロールグループ; n = 1013)の2群に分けました。栄養サポートの経済的影響を計算するために、マルコフモデルを用いました。経済的評価である費用は、一般病棟と集中治療室(ICU)での日数、院内感染、合併症、および栄養サポートで評価されました。1スイスフラン(CHF)に対して0.93216ユーロのユーロ換算レートを使用しました。

結果

患者1人あたりの推定費用は、院内栄養サポートで90スイスフラン(83.78ユーロ)、栄養士の診察時間を考慮すると283.85スイスフラン(264.23ユーロ)でした。入院から30日以内の全体的なケア費用は、介入群の患者1人あたり平均29,263スイスフラン(27,240ユーロ)であったのに対し、対照群の患者1人あたりの費用は214スイスフラン(199ユーロ)の節約になりました。栄養士の費用も考慮した場合、患者1人あたりの費用の節約は19.56スイスフラン(18.21ユーロ)でした(完全費用分析)。これらのコスト削減は、主にICU滞在期間の短縮と合併症の減少によるものでした。また、有害な結果を防ぐための費用も計算しました。これは、重篤な合併症1件で276スイスフラン(256ユーロ)、ICUで1日2,675スイスフラン(2490ユーロ)、死亡1件で7,975スイスフラン(7423ユーロ)でした。完全なコスト分析では、これらの数値は872スイスフラン(811ユーロ)、8,459スイスフラン(7874ユーロ)、25,219スイスフラン(23,475ユーロ)でした。感度分析により、元の結果が確認されました。

結論

当検討では、入院患者に対する院内栄養サポートが、患者の生存率を向上させながら、ICU入室および院内合併症のリスクを軽減するための非常に費用効果の高い介入であることを示しています。リスクのある入院患者における栄養サポートのプラスの臨床的および経済的利益は、低栄養のスクリーニング、栄養相談、栄養サポートを含む包括的な栄養プログラムが必要です。