保育園で働く管理栄養士・栄養士

保育園で働く管理栄養士・栄養士のお仕事

保育園で提供する食事はほとんどが、園内の調理室で作られています。これを自園調理といいます。自園調理での中心的な存在が、保育園で働く管理栄養士・栄養士です。この記事では保育園で働きたいと思っている人向けに、記載したものです。
保育園で子ども達に提供される食事は、単に空腹を満たすだけのものではなく、先生やお友達と一緒に楽しく食事をとる体験を通じて、学べる「食育」としての役割も担っています。
すなわち、食事の提供とともに、「食育」も積極的に進めていくことが求められるため、管理栄養士・栄養士が必要とされているのです。

管理栄養士・栄養士として保育園で働くには2つルートがあります。

公立保育園で働くか、または私立保育園で働くかです。

公立保育園で働く場合

公立保育園で働く場合は身分は公務員となりますので、自治体が主催する公務員試験を受け、合格する必要性があります。また、公立保育園では、基本的に管理栄養士の資格がないと難しいでしょう。
管理栄養士の資格を取得した後に公務員試験に合格し、採用されれば公務員の栄養士として働くことが可能です。
しかし、公務員の栄養士として勤務した場合には、保健所や病院、学校など様々な場所に異動する可能性もあり、保育園だけの仕事ができるとは限りません。この件はしっかり頭に入れておきましょう。

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私立保育園で働く場合

私立保育園勤務をする場合では、栄養士だけの資格で十分なケースが多いです。

保育園で働く栄養士の仕事内容

献立作り

献立は、子どもの発達段階に合わせて作る必要性があります。例えば、0歳時と1歳時、また5歳時とは食べるものが違います。0歳児が在籍している保育園では、離乳食の献立作りも栄養士の仕事です。
子どもの月齢や発達に合わせて、保護者や保育士と連携をとりながら初期食・中期食・後期食と離乳食の形態を進めて行きます。
アレルギー児がいる場合には、アレルギーに対応した献立を別に作成しなくてはいけません。アレルギーの症状に応じた個別対応となりますが、基本的には、普通食からアレルギーの原材料を抜いた献立が一般的です。アレルギーの原材料を抜くといっても、非常に難しく、一見大丈夫そうな調味料にも、アレルゲンが入っている場合も多くありここで専門的な知識が求められます。保護者と直接話をして、必要であれば医師の診断書の提供を求めることになります。
離乳食が完了した後にも、幼児食と同じ大きさでは食べることが難しいと判断した時には、幼児食を刻んで提供をすることもあります。
時には子どもが食事を食べている様子を見ながら、子どもに合った献立を作ります。

献立作りの業務内容具体例

・離乳食(前期・中期・後期前半・後期後半)
・幼児食・乳児食
・月間献立表
・アレルギー予定献立表
・調理指示書
・ 離乳食献立表
・3大アレルゲン(卵・小麦・乳)除去メニュー付き
・アレルギー個別対応

調理

基本的には調理は調理師さんの仕事です。しかし、決まった時間に食事を提供することは非常に大切なことですので、管理栄養士・栄養士が助っ人として厨房に入る可能性も大いにあります。しかし、動線や人員配置を効率的に考えることは管理栄養士・栄養士の仕事ですので、可及的に安全でかつ美味しく、手早く料理を提供できるように試行錯誤する必要性はあります。
調理が終わると、離乳食の形態やアレルギー児の食事の提供のダブルチェックを必ず保育士と共に行いながら、食事を提供します。

発注業務

献立に基づいた、発注業務を行います。食材は日々変動するものです。また災害などで、発注した品物が届かない可能性もあるため、複数の業者とあらかじめ話し合い、契約しておくことも管理栄養士・栄養士の大切な仕事です。

園児の食育について

食育とは食べることの楽しさを伝えたり食への興味を広げるような関りをすることで、健全な食生活を実践できる人を育てる取り組みです。
食育は保育所全体で協力して行われますが、食の専門的な知識を持つ管理栄養士・栄養士がリードします。
行事食を提供したり、園内で育てた野菜を使い、実際に野菜に触れたり自分で洗ってみることで、苦手な野菜にも挑戦できるきっかけ作りをしたり、自分で作る楽しみを感じられるように、クッキングの時間を設けることもあります。このように、子ども達へ食べることの大切さや楽しさを伝える活動を行います。
また、施設によっては、栄養士が保育の業務も行う場合があります。
単に人手が不足しているというだけでなく、保育室で子どもと関わる時間を持ち、保育を経験することで、食育の質を高めることができるという理由もあります。実際に2007年に厚生労働省が作成した「『楽しく食べる子どもに~保育所における食育に関する指針~」においても、子どもに対する「食育」の実施が保育の一環として位置づけられています。
また給食を作ってくれている栄養士に親近感を持つことで、食事を大切に食べようという意識が芽生えることも期待されます。

一緒に働く人たちって?

保育園では保育士や栄養士・調理員などが、それぞれの専門性を活かし、連携して仕事をします。
調理業務は調理員と協力して行いますが、食育や保育業務は、保育士や、調理員などと協力・連携して行います。

豆知識

保育園以外に子どもと関わる職場

栄養士が子どもを対象に働ける場所は、保育園だけではありません。

幼稚園

保育園と幼稚園では仕事内容はほとんど変わりありませんが、食事を提供するタイミングや回数は異なります。
保育園の場合は昼食の他におやつが必要です。さらに延長保育の子どもがいれば、夕飯も提供することになります。

認定こども園

認定こども園は「幼保連携型」「幼稚園型」「保育所型」「地方裁量型」などさまざまな種類がますが、基本的にどの形態でも幼稚園や保育園と変わらず栄養士・管理栄養士の募集があります。
仕事内容も保育園とほとんど変わらないでしょう。

保育園で働く管理栄養士・栄養士の給与・賞与について

公立保育園

公立保育園で採用される場合は、基本的には公務員としての棒級が適応されるため、管理栄養士全体の年収平均と比較すれば高給取りの部類となります。基本的には4大卒の新卒であれば18〜20万スタート。年次昇給は5000円〜7000円程度です。また賞与は年間を通じて給与の4ヶ月分が一般的です。

私立保育園

私立保育園の場合は、私立保育園での給与設定に従いますので、給与幅は生まれてきます。
私立保育園で働く栄養士の月収は17万円から20万円です。
またほとんどの私立保育園では賞与が支給されます。
パート勤務の場合には調理員としての募集が多く、時給1,000円から1,300円程度に設定されています。

本人の実績や会社の規定により、年1回の昇給があります。務先によって金額は変わりますが、2千円から1万円程度が一般的です。

労働条件

公立保育園の場合は、保育士は早番、普通番、遅番がありますが、管理栄養士・栄養士は定刻勤務であることが多いです。8時15分〜17時までのところが多いです。
また保育園の管理栄養士・栄養士の残業は基本的にはほとんどありません

休日

保育園は月曜日から土曜日まで開園し、日曜日と祝日が閉園となる施設が多いため、基本的にはそれに準じた休日となります。日祝日休みで、平日に1日どこかで休みがあるという感じです。
年間休日数は105日~120日程度。
保育園は学校などと違い長期休暇はないところがほとんどですので、年間安定した勤務形態となるでしょう。

福利厚生

公立保育園と私立保育園で異なります。公立保育園の場合は身分が公務員であることより、福利厚生は最高峰です。私立保育園は施設によって異なりますが、社会保険完備、退職金制度、住宅手当、交通費支給などはしっかりあります。
また、女性が多い職場であることより、産休育休制度などは充実しています。

保育園で働くために必要なスキルとは?

保育園で働く管理栄養士・栄養士に必要なスキルは、ずばり安全な給食を提供できるスキルがあるかどうかです。子どもが安心して食事をとるためにはこれは外せません。食中毒予防などはもちろんですが、最近ではアレルギーを持つ子どもも増えてきたため、保育士、調理師、保護者などとしっかり連携をとり、情報共有することが何より重要です。また言うまでもありませんが、献立作成・調理スキルももちろん重要です。

保育園で働く管理栄養士・栄養士の1番のやりがい

栄養士の1番のやりがいは子ども達が美味しそうに食事を食べている笑顔が間近で見られる事です。
子ども達から「先生給食おいしかったよ」と言ってもらえたり、保護者から「自宅では、野菜を食べないのに保育園だと食べてくれて助かります」とい言葉を掛けられる時はなんとも言えないやりがいを感じることでしょう。

まとめ

子どもの姿を実際に見ながら食事を提供することができる保育園の栄養士。食を通して子どもの成長を手助けできるやりがいのある仕事です。献立作りや調理といった栄養士と聞くと思い浮かぶことの多い仕事だけではなく、保護者と実際に話をしながら離乳食の形態を進めたり、食育を行ったりと人と関わることの多い仕事でもあります。
子どもの笑顔に囲まれて仕事がしたいという方は、保育士とはまた違った視点で子どもを見つめることができる管理栄養士・栄養士を選ぶという選択肢もおすすめです。

 

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